私たちは心理臨床コミュニティTicekt.を運営する臨床心理士・公認心理師です。
みなさんは初めてケースを担当するとき、どんな服装で臨むと良いか、考えたことはありますか?
臨床心理面接におけるセラピストの服装は、クライエントさんに「この人にだったら話しても(表現しても)大丈夫そうかな」という安心感を与え、信頼関係を築く上で重要な要素の一つですよね。
どんな時にどんな服装を選ぶのか、その思考過程そのものが心理士としてのセンスを磨く上でも重要なようにも思います。
今日はある物語を紹介したいと思います。
実際にあった出来事を元に大幅に改変して作った架空の物語です。
でも、誰しも体験しうる事柄だとも思います。
ご自身にも照らし合わせて服装について考えるきっかけになれば幸いです。
初めてのプレイセラピー(M1のAさんの場合)
公認心理師養成大学院のM1
Aさん
後期に入り、自分でもケース担当を開始する時期になりました。
事前学習では、セラピストとしての服装等についても習いました。
「襟付きのシャツ」「華美でない服装」「ジャケット等を羽織る」「清潔な恰好」「パンツスタイル」等々。

Aさんが最初に担当することになったのは、10歳 小学4年生の不登校の男の子Bさん。
Bさんの不登校のきっかけは、厳しい担任の先生でした。
担任の先生が、他の子を叱責している様をみて、自分は怒られているわけではないのに、苦しくなって、学校に行けなくなっていたのでした。
Aさんは初回面接でBさんのプレイセラピーを担当することになりました。
Aさんはとてもまじめな学生です。
初回面接の日、Aさんは事前学習で学んだ通り、「襟付きのシャツ」に「ジャケット」を着て相談室に訪れました。
すると、相談室のスタッフ(公認心理師)の
Cさん
に声をかけられました。
あなたがAさんだったらどんな格好で出迎えますか?
ただの服装一つまで考えないといけないなんて…!!!
と思われた方もおられるかもしれませんね。
上記のやりとりを経て、Aさんはどんな答えを導き出すのか、
Cさんはそれに対してなんと応答するのか、
次の記事に続きます。