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研修や集団療法に!心理士のためのアイスブレイク・ゲームまとめ5選【前編】

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新年度が始まり、講義や集団療法を担当することになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

研修や講義、集団療法を担当することになった際、資料作りや計画に時間をかけますよね。

しかし、「場の空気・雰囲気をいかに居心地よくするか」という視点を見落としてしてしまうことも。

アイスブレイクは、場の雰囲気を温め、その場にいる参加者や担当者を助けてくれるとても大切なものです。

いくつか知っておけば、急な場面でも役立ちますので、この記事でご紹介する5つのゲームをぜひ覚えて実践してみてください。


アイスブレイクとは?

アイスブレイクとは、「氷を溶かす」ように場の緊張をほぐすためのエクササイズのことです。ほかにも「ウォーミングアップ」と呼ばれることもあります。ビジネスシーンでは、「雑談」がアイスブレイクと捉えられることも多いですね。

この記事では、研修・講義・集団療法などの場で、アイスブレイクを目的として行うゲームを紹介します。


アイスブレイクを取り入れるメリット

1. 緊張をほぐす

研修の冒頭にアイスブレイクを行うことで、研修担当者も参加者もリラックスできます。参加者の笑顔や笑い声がその場の空気を大きく変えてくれるはずです。

2. 眠気対策

午後の研修では、参加者が眠くなることも。アイスブレイクのゲームを取り入れると、一気に空気がリフレッシュされ、眠気も吹き飛びます。

3. 相互理解を深める

(グループワークの場合)相手がどんな人か、どんな考え方を持っているかを知ることができます。

4. コミュニケーションの促進

(グループワークの場合)参加者同士が協力して行うゲームは、コミュニケーションを促進し、チームワークを高める効果があります。


どんなアイスブレイクを選ぶか?

研修の目的や参加者の特性、場の雰囲気、時期などを考慮し、効果的なアイスブレイクを選ぶことが重要です。初回の研修でいきなり相互理解を深めるような活動を選ぶと、逆に緊張を招いてしまうこともあります。

参加者同士が初対面である場合は、まずは1人でできる簡単なアイスブレイクから始めると良いでしょう。


アイスブレイク・ゲーム5選(個人編)

ここでは、グループを作らずに、参加者が椅子に座った状態で1人でできるアイスブレイク・ゲームを5つ紹介します。

1. 10まで数えましょう

これは指を使った頭の体操です。「あれ?」と思わず声が出て、場が温まりやすいゲームです。

  1. 片手の親指を曲げた状態からスタート

  2. 1~10を声に出して数えながら、片手は親指から、もう片方の手は人差し指から1本ずつ指を曲げていく

  3. 「10!」になったとき、①と同じ状態であればクリア!

できた方は、今度は逆の手の指を折るところから始めてみてください。

2. ちぐはぐゲーム

紙とペンがあればすぐできるゲームです。意外と難しく、「え?」という声が上がりやすいです。

  1. 「ごめんね」と言いながら紙に「ありがとう」と書く

  2. 「しろくま」と言いながら紙に「くろまめ」と書く

  3. 「プリッツ」と言いながら紙に「ポッキー」と書く

言う言葉と書く言葉の文字数が一致すれば何でもOK。反対の意味や似た言葉を使うと、さらに混乱して面白いです。

3. 魔法の薬指

参加者同士が不思議な体験を共有できるゲームです。

  1. 左手をパーに開く。
  2. 右手の親指と人差し指で、左手の親指をつまむ。
  3. 左手の人差し指から小指に向って、指を一つずつ1から5まで数えながらつまむ。(小指まで来たら薬指に戻る。今、薬指をつまんでいる状態!)
  4. 頭の中で好きな数字を思い浮かべる。
  5. 再度、親指側・小指側どちらの方向でもよいので、好きな数字の分だけ数えながらつまむ。
  6. もう一度、繰り返す。(数字は変えない!)
  7. 小指側に向って「2」を数えながらつまむ。
  8. さぁ、今どの指をつまんでいますか?

これはどんな数を思い浮かべても必ず最後は薬指に来るので、

2回ほどやると会場がザワザワとして面白いと思います。

うまくいってもいかなくても、「あれ?」とザワザワするので緊張した空気が和みやすいです。

4. 後出しじゃんけん

新しい習慣や視点を伝える導入としても使えます。

  1. 「私に勝ってください」と言って、じゃんけんで後出ししてもらう

  2. 次は「私に負けてください」と言って、じゃんけんで後出ししてもらう

徐々にスピードを上げていきます。参加者は勝つのは簡単ですが、わざと負けることは慣れていないので混乱します。

「やりなれないことは難しいけど、慣れればできるようになる」

このように、研修で新しい習慣や新しい視点を伝える導入として使うのも良いでしょう。

5. いくつかけるかな?

紙とペンを使った頭の体操です。

  1. 「ロ」という漢字を紙に書く

  2. 「口」に2画足してできる漢字をできるだけ多く書く(例:四、田)

  3. 制限時間内(3分程度)に何個書けたか競います。

    【答え】

    四、四、目、田、白、古、占、召、叱、加、石、右、

    申、台、虫、由、只、旬、甲、旧、旦、兄、号、叶、可、司・・・

参加者の発想を引き出す楽しいエクササイズです。


まとめ

いかがでしたか?知っているゲームもあったかもしれませんが、子どもの頃にやっていた遊びをうまくアレンジしてアイスブレイクとして活用するのも効果的です。

 緊張した場面でアイスブレイクを行うと研修やグループの雰囲気が柔らかくなり、より良い時間になっていくと思います。困ったときには、ぜひ今回ご紹介したゲームを思い出してみてくださいね。

今回は、参加者が1人でできるアイスブレイク・ゲームを5つ紹介しました。

後編では、複数人数で行うグループ編をご紹介しますので、ぜひ合わせてご覧ください。

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この記事が、皆さんの臨床現場や研修でお役にたてると幸いです。