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【ダイジェスト版】インテーク面接で「何を」「どう聴くか」|おすすめ書籍7選

※本記事にはプロモーションが含まれています。

臨床心理士として初めてインテーク面接を担当したとき、私は「どんなことを聴けばよいのか」に気を取られ、情報を集めることに精一杯でした。

しかし、面接後に記録を振り返ると、
「ここはどうなのだろう?」
「クライエントさんはどんな体験をしていたのだろう?」
と疑問が次々に湧いてきたのです。

そのとき初めて気づきました――インテーク面接は、ただ情報を集める場ではなく、“聴きながら見立てを立てていく場”なのだと。

質問は、形式的なチェック項目ではなく、見立てのための“種まき”です。

この視点を持つことで、問いが生き生きとした臨床的対話へと変わっていきます。

そこでこの記事では、インテーク面接で中心となる質問とその裏にある臨床的な意図について、私の経験を交えてご紹介します。

後半では、アセスメント力を向上させるために、私がこれまで読んできた推薦図書をいくつかご紹介しますので、そちらも参考にしていただけると幸いです。

また、本記事は【ダイジェスト版】です。
より詳細な内容をお読みになりたい方は、Noteの記事をご覧ください。

臨床的な見立てを深めるための6大質問とその意図

1.主訴:<今回、ご相談されたいのはどんなことについてでしょうか?>

まずはクライエントさんの困りごとを、本人の言葉で聴くことから始まります。
何を中心に語り、どんな順序で説明するか――語りの構成そのものが見立ての手がかりになります。
主訴の背景にある「本当に求めている支援」や「自分の理解の仕方」に気づく糸口を探ります。

意図:Clのニーズの把握と支援可能性の検討、見立てのヒント

2.来談経緯:<このタイミングで相談しようと思ったのはなぜですか(来談経緯)>

相談に至るまでの経過をたどると、回復を支えてきた人や出来事が見えてきます。

意図:回復に向けた強みとキーパーソン、レジリエンスや健康度の想定

3.成育歴:家族歴:<幼少期はどのようなお子さんでしたか>

主訴の背景を理解するうえで、発達特性や家族関係、対人交流パターンの影響を検討します。

意図:主訴の背景因子の多面的把握、発達特性の検討、対人交流パターンの検討

4.学業面・職務面:<学業や仕事ではどのような成績、状況でしたか?>

知的発達や学習スタイル、評価への受け止め方から、自己理解のあり方が見えてきます。

意図:知的発達水準と習得力の把握、評価と自己認識

5.生活状況:<普段はどんな生活を送っていますか(食事・睡眠・余暇)>

食事・睡眠・余暇といった生活リズムは、心身の健康を映す鏡です。

意図:日常生活への適応レベル、睡眠、食事、余暇の把握

6.初回面接の感想:<話してみていかがでしたか?>

最後に、クライエントの満足感や気づきを確かめます。

意図:満足感とモチベーションの把握、期待とのすり合わせ(ギャップの解消)など

見立てながら聴く力を育てる

ここまで、インテーク面接で中心となる質問とその裏にある臨床的な意図について紹介しました。

実際の面接では、話の流れによってより細かく掘り下げる質問事項もあれば、時間の制約から省略する質問がある時もあります。

形式的に質問を並べるだけでは、クライエントの実像にはたどりつけません。
重要なのは、「この質問を通して何を理解したいのか」を常に意識しながら聴くことです。

これはバウムテストのPDIでも同様のことが言えると思います。
“何となく聞く・描かせる”ではなく、意図をもって理解を深めるための関わりであることが、臨床の質を左右します。

日常の中でも、「この質問はどんな理解に役立つだろう」と想像してみること自体が、アセスメント力を磨く練習になります。

学びを支えるおすすめ書籍

最後に、アセスメント力を高めたい方へ向けた推薦書を7冊紹介します。

  • 『スモールステップで学ぶ力動的な心理アセスメントワークブック: 出会いからフィードバックまで』 乾 吉佑(監修), 加藤 佑昌 (編集, 著), 森本 麻穂 (編集, 著) 創元社

 

  • 『事例で学ぶ 社会的養護児童のアセスメント―子どもの視点で考え、適切な支援を見出すために―』 増沢 高 (著) 明石書店

 

  • 『対人援助の現場で使える 質問する技術 便利帖』 大谷 佳子(著) 翔泳社

 

  •  『事例で学ぶ認知行動療法』 伊藤絵美(著) 誠信書房

 

  • 『精神症状の把握と理解 (精神医学の知と技) 』 原田憲一(著) 中山書店

 

  • 『臨床心理学 第3巻第3号(通巻第15号) 特集 臨床心理面接の組み立て方』 金剛出版

 

  • 『臨床心理学 第3巻第4号(通巻第16号) 特集 心理アセスメント』 金剛出版

まとめ

インテーク面接の確信は、質問の巧拙ではなく、問いに込められた臨床的意図にあります。

形式的な質問の背景に「なぜこれを聴くのか」「何を理解したいのか」を持つことで、インテーク面接は情報収集の場から、理解と変化の始まりの場へと変わります。

見立てながら聴く力――私も日々精進したいと思っています。

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執筆者:Tic. & Ket.(臨床心理士・公認心理師)

臨床心理士・公認心理師
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